前回までで、勉強の進め方が決まりました。ここからは、いよいよ分野別の中身です。最初はストラテジ系、その中でも「企業活動」から始めましょう。
名前だけ聞くと経営者向けの話に思えますが、実は身近な数字の話がほとんどです。
『企業活動』……うわ、いかにも社長さんが考える話って感じ。私には関係なさそう
即決めつけるね。じゃあ聞くけど、美咲のバイト先、シフトってどう組んでる?
え? 店長が『暇な時間は人少なめ、混む時間は多め』って感じで組んでるけど
それ、まさに今日やる話そのものだよ
……え、うそ
『混む時間を予測して、それに合わせて人(在庫)を配置する』——これ、経営管理の基本そのものだから

まず土台として、PDCAサイクル。Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)を繰り返す考え方。これ自体は聞いたことあるでしょ
あるある、学校でも言われた
経営でも同じ。計画を立てて、実行して、うまくいったか確認して、直す。このサイクルを回し続けるのが経営管理の基本形
シンプルね
あと、経営組織の形も出題される。代表的なのが事業部制組織。製品や地域ごとに独立した部門(事業部)を作って、それぞれが利益責任を持つ形。意思決定が早くなりやすいのが特徴
うちの大学のサークル連合、学部ごとに班分かれてるの、ちょっと似てるかも
いい例えだね。あと、意思決定にも階層がある。戦略的意思決定(経営の方向性を決める)、管理的意思決定(それを実行する仕組みを整える)、業務的意思決定(日々の現場の判断)の3段階に分けて考える

ここからが今日の本題、OR(オペレーションズ・リサーチ)とIE(インダストリアル・エンジニアリング)。数字を使って、経営の判断を効率化する手法群だよ
名前が急に難しくなったんだけど
中身はさっきのシフトの話とほぼ同じ。需要予測は、過去のデータから『どのくらい必要になりそうか』を見積もること。バイト先の店長が『土曜の夕方は混む』って経験で予測してるのと、統計的にやるかの違いだけ
じゃあ在庫管理も?
そう。在庫管理は、多すぎれば無駄なコスト、少なすぎれば機会損失、というバランスを取る考え方。試験では『発注してから届くまでの期間』や『欠品を避けるための在庫水準』を扱う問題が出る
バランス感覚が大事なのね
あと、期待値計算や稼働率・信頼性計算も、この分野の頻出テーマ。『確率的に起こりうる結果』を数値で評価する考え方で、計算問題として出やすい
計算……ちょっと苦手なやつだ
大丈夫、公式を丸暗記するより、『何と何を掛けて、何を求めているか』の意味を理解すれば、応用が利くようになるよ

注意点は2つ。1つは、似た計算問題の公式を混同すること。在庫回転率、期待値、稼働率——似たような数字の組み合わせに見えて、求めているものが全然違う。問題文で『何を聞かれているか』を最初に確認する癖をつけたほうがいい
もう1つは?
さっき美咲が言ってた『経営者向けの分野だから関係ない』っていう思い込み。この決めつけで、企業活動の対策を後回しにする人がけっこう多いんだけど、身近な数字の話だと気づけば、そんなに怖くない
……最初の私みたいに?
うん、まさに
思ったより、身近な話だったわ
でしょ? 次はその企業活動の中でも、財務諸表の話。BSとPL、見たことある?
……名前は知ってるけど、中身は全然
じゃあ次回、そこをやろう
というわけで、著者が作った無料の過去問アプリ「ITパスポート学習」の「企業活動」で、そのまま手を動かして復習できます。間隔反復法(SRS)が「忘れかけた瞬間」に自動で再出題してくれるので、読みっぱなしでは終わりません。