第6回 ストラテジ 中分類1 企業活動/財務(大分類1 企業と法務)

【第6回】BS・PLが読めると、就活の会社選びも変わる

前回の「企業活動」の続きとして、今回は財務諸表を扱います。名前は聞いたことがあっても、実際に読める人は意外と少ない分野です。

就活の企業研究にも直結する内容なので、試験対策以上の実利があります。

この記事でわかること

美咲、つまずく

美咲

就活で『企業研究しろ』って言われて、IR資料ってやつ開いてみたんだけど……もう、数字の羅列すぎて無理

拓也

見せて。……ああ、これはBSとPLだね

美咲

なによそれ、名前が似てて全然覚えられないんだけど

拓也

実は仕組みがわかれば、そんなに難しくないよ。今日はそこをやろう

比喩イラスト/企業のIR資料を前に固まる美咲、家計簿に例えて説明する拓也

本編①:財務諸表の基本

拓也

まずBS(貸借対照表/バランスシート)。これは『ある一時点で、会社が何を持っていて、何を借りているか』を表すもの

美咲

一時点、ってどういうこと?

拓也

たとえば『3月31日時点で』みたいに、ある瞬間のスナップショット。構造はシンプルで、資産=負債+純資産。左側に資産(持っているもの)、右側に負債(借りているもの)と純資産(自己資金)が並ぶ

美咲

家計簿でいうと?

拓也

『今の貯金と、住宅ローンの残高』みたいなイメージだね。ある瞬間の財産状況

美咲

なるほど、わかりやすいかも

拓也

もう1つがPL(損益計算書)。こっちは『ある一定期間に、いくら売り上げて、いくら使って、いくら儲かったか』を表すもの

美咲

さっきの『一時点』と違って、期間なのね

拓也

そう、そこが一番の違い。PLは『4月から3月までの1年間で』みたいな、期間の成績表。売上から経費を引いていって、最終的な利益にたどり着く流れになってる

美咲

家計簿でいうと、1ヶ月の収支みたいな感じ?

拓也

まさにそれ

概念図解/BSの構造図(資産=負債+純資産)とPLの構造図(売上→各種利益)

本編②:損益分岐点とキャッシュフロー

拓也

次は損益分岐点。これは『売上がいくらを超えたら黒字になるか』の境目のこと

美咲

なんとなく言葉は知ってるかも

拓也

費用には2種類ある。売上に関係なくかかる固定費(家賃とか人件費とか)と、売れば売るほど増える変動費(材料費とか)。損益分岐点は、売上からこの2つの費用を引いてゼロになる地点、として計算する

美咲

じゃあそこを超えれば黒字ってことね

拓也

そういうこと。あと、この分野でもう1つ大事な考え方がキャッシュフロー。ここ、意外な話をするけど——PL上は黒字なのに、会社が倒産することがあるって知ってる?

美咲

え、黒字なのに潰れるの?

拓也

これを『黒字倒産』っていうんだけど、原因は手元の現金が足りなくなること。売上は計上されてても、取引先からの入金がまだで、手元のお金が回らなくなるパターン。だから会社にとっては、利益だけじゃなく『現金の流れ(キャッシュフロー)』を管理することも同じくらい重要なんだ

美咲

……利益があっても安心できないのね

ITパスポート的に狙われるポイント

【第6回】BS・PLが読めると、就活の会社選びも変わる|比較表
拓也

試験でよく引っかかるのは2つ。1つは、BSとPLの対象期間の混同。BSは『一時点』、PLは『一期間』。ここを逆に覚えるとほぼ全部間違える

美咲

そこは今、しっかり区別できたと思う

拓也

もう1つは、損益分岐点計算の公式の当てはめミス。固定費と変動費、どっちがどっちの計算に使われるかを取り違えやすい。焦らず、問題文の数字が『売上に比例して増えるものかどうか』で見分けるといい

まとめ・次回予告

美咲

これ、IR資料もう一回見てみるわ。ちょっと読める気がする

拓也

いいね。次は同じストラテジ系でも、ちょっと毛色の違う法務の話。著作権とか、知ってるつもりで実は危ういところが多い分野だよ

美咲

著作権……あ、SNSの画像とか、あれって大丈夫なやつなの?

拓也

……それ、次回でちゃんと説明する

📱 アプリで過去問を解く

美咲

BSとPL、読めるようになった気がする

拓也

その『気がする』を『解ける』に変えていこうか

財務諸表・損益分岐点の計算は、著者が作った無料の過去問アプリ「ITパスポート学習」の「企業活動」でそのまま復習できます。間隔反復法(SRS)が「忘れかけた瞬間」に自動で再出題してくれるので、読みっぱなしでは終わりません。