第7回 ストラテジ 中分類2 法務(大分類1 企業と法務)

【第7回】「それ、著作権的にアウトです」——法務のキホン

「知ってるつもりが、実は一番危ない」——法務は、そんな分野です。

日常でうっかりやりがちなNG行為を入口に、知的財産権・労働関連法規・個人情報保護法まで、この回でまとめて押さえてしまいましょう。

この記事でわかること

美咲、つまずく

美咲

サークルの告知、この画像使お

拓也

待って、それどこから持ってきたの

美咲

検索して出てきたやつ。フリー素材でしょ、たぶん

拓也

その『たぶん』が一番危ない。ちゃんと確認した?

美咲

え、これって普通にみんなやってるじゃん。今さら?

拓也

みんなやってても、法律的にはアウトなことあるからね。今日、そこ整理しよう

比喩イラスト/フリー素材だと思い込んで画像を貼ろうとする美咲を止める拓也

本編①:知的財産権

拓也

まず著作権。対象は『思想又は感情を創作的に表現したもの』——文章、イラスト、写真、音楽、プログラムなんかが当てはまる

美咲

さっきの画像も、誰かが撮った写真なら著作物ってこと?

拓也

その通り。しかも著作権、一番大事な特徴は登録不要で、作った瞬間に自動的に発生すること。『©マークがないから自由に使っていい』は誤解で、マークの有無に関係なく権利は発生してる

美咲

え、じゃあ全部ダメじゃない

拓也

使う側が許可を得るか、ライセンスで利用が認められている素材を使うか、どちらかが必要ってことだね

美咲

もう一つ、『産業財産権』ってのも聞いたことあるんだけど

拓也

著作権とは別のグループ。特許権(発明)、実用新案権(物の形状の考案)、意匠権(デザイン)、商標権(マークやロゴ)の4つをまとめてそう呼ぶ。こっちは著作権と違って、特許庁への登録が必要

美咲

対象が違うのね。著作権は表現、産業財産権は……発明とかデザインとか

拓也

そう整理すればOK

概念図解/知的財産権の全体マップ(著作権/産業財産権の枝分かれ図)

本編②:労働・取引・個人情報保護に関する法規

拓也

次は働き方に関する法律。労働基準法は、労働時間や賃金など、雇う側と雇われる側の最低限のルールを定めたもの。一方労働者派遣法は、派遣会社を通じて働く場合の指揮命令関係を整理したルール

美咲

バイトも労働基準法の対象なのよね

拓也

もちろん。あと取引に関する法律も出題される。少し前まで『下請法』という名前で、大企業が下請け企業に不当な取引を強いるのを防ぐ法律があったんだけど、シラバスの改訂で中小受託取引適正化法という名称に変わってる。中身の方向性(弱い立場の取引先を守る)は同じだよ

美咲

へえ、法律も更新されるのね

拓也

最後、個人情報保護法。ここがちょっとややこしいから丁寧にいくね。まず個人情報は、氏名や生年月日など特定の個人を識別できる情報。個人識別符号は、マイナンバーや免許証番号みたいに、それ単体だけで特定の個人を識別できるコード

美咲

なるほど

拓也

そして、加工した情報が2種類ある。匿名加工情報は、特定の個人を識別できないように加工し、かつ元の情報に復元できないようにしたもの。第三者への提供がしやすい代わりに、加工が徹底してる

美咲

もう1つは?

拓也

仮名加工情報は、他の情報と照合しない限り特定の個人を識別できないように加工したもの。でも元の対応表が別に存在すれば復元は可能。主に組織内部での分析利用が想定されていて、匿名加工情報ほど自由に第三者提供はできない

美咲

……似てるようで、復元できるかできないかが違うのね

拓也

そこがまさに試験で狙われるポイント

ITパスポート的に狙われるポイント

【第7回】「それ、著作権的にアウトです」——法務のキホン|比較表
拓也

1つ目は、著作権と産業財産権、対象の混同。『表現か、それ以外か』で見分ける

美咲

2つ目は、さっきの匿名加工情報と仮名加工情報のひっかけ?

拓也

うん。『復元できない=匿名加工情報』『復元できる(別データと組み合わせれば)=仮名加工情報』、この対応を軸に覚えるといい

まとめ・次回予告

美咲

……とりあえず、あの画像は使わないことにするわ

拓也

賢明な判断

美咲

次は何をやるの?

拓也

ストラテジ系に戻って、今度は経営戦略。SWOT分析とか、聞いたことない?

美咲

あ、それ就活の自己分析でやらされたやつだ!

📱 アプリで過去問を解く

美咲

著作権、もう二度と間違えない自信あるんだけど

拓也

その自信、過去問で試してみようか

著者が作った無料の過去問アプリ「ITパスポート学習」の「法務」で、そのまま手を動かして確認できます。間隔反復法(SRS)が「忘れかけた瞬間」に自動で再出題してくれるので、読みっぱなしでは終わりません。