「経営戦略」と聞くと、遠い世界の話に思えるかもしれません。でも実は、就活の自己分析でやらされるあの作業と、フレームワークがほぼ同じだったりします。
今回は、代表的な分析手法を、身近な例に結びつけながら整理していきます。
就活の自己分析講座で、『強み・弱み・機会・脅威を書き出しましょう』って言われたんだけど、これ会社の話じゃないの?
それ、SWOT分析だね。もともと企業の経営戦略で使われるフレームワークだよ
え、私に企業の分析法使わせてたの?
個人にも応用できるってことだね。むしろ、自分でやったことあるなら、話が早い

じゃあ復習がてら。SWOT分析は、自社のStrength(強み)・Weakness(弱み)という内部要因と、Opportunity(機会)・Threat(脅威)という外部要因を整理して、戦略の方向性を考える手法
うん、まさにさっきやったやつだ
次、PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)。これは、複数の事業や商品を、『市場の成長率』と『市場での占有率(シェア)』の2軸でマッピングする手法
マッピング?
4つの象限に分けるんだ。成長率もシェアも高い花形、成長率は低いけどシェアが高い金のなる木、成長率は高いけどシェアが低い問題児、両方低い負け犬
……ネーミングがちょっと生々しいわね
でも覚えやすいでしょ? 『金のなる木』は今の稼ぎ頭、『問題児』は将来花形になるかもしれない伸びしろのある事業、というイメージ

じゃあ『バリューチェーン』は?
これは、会社の活動を『原材料の調達→製造→出荷→販売→サービス』みたいに一連の流れとして分解して、どの工程でどれだけ価値(利益)が生まれているかを分析する手法。どこに強みがあり、どこに無駄があるかが見えてくる
工程ごとに見るのね
ここまでは『分析して現状を把握する』ための手法。ここからは、決めた戦略を実行し、管理するための仕組みの話
診断と、実行管理は別物ってこと?
そう、その整理がまさに大事。代表例がBSC(バランス・スコアカード)。財務の視点だけじゃなく、顧客の視点、業務プロセスの視点、学習と成長の視点——4つの視点から経営目標の達成度を管理する仕組み
なんで財務だけじゃダメなの?
財務の数字は、いわば結果でしかない。数字が悪化してから気づくんじゃ遅い。だから『顧客満足度』や『社員のスキル向上』みたいな、結果が出る"前"の指標も一緒に見ようというのがBSCの発想なんだ
なるほど、先行指標ってことね

注意点は2つ。1つ目は、フレームワークの名前と、実際にやっていることの対応の取り違え。『SWOTは内部・外部の要因整理』『PPMは事業の位置づけ整理』『バリューチェーンは工程ごとの価値分析』——これを逆に覚えると軒並み間違える
2つ目は?
PPMの4象限、『成長率が高いのはどっち』『シェアが高いのはどっち』の組み合わせを、選択肢の中でうっかり逆にしがちなところ。花形と負け犬が対角線、金のなる木と問題児が対角線、って位置関係で覚えると間違えにくいよ
経営戦略、なんか面白くなってきたかも
その調子。次は、経営戦略の中でもちょっと理系寄りの話。MOTって聞いたことある?
モット……なにそれ、標語?
……それ、次回にちゃんと説明するね
著者が作った無料の過去問アプリ「ITパスポート学習」の「経営戦略マネジメント」で、そのまま手を動かして確認できます。間隔反復法(SRS)が「忘れかけた瞬間」に自動で再出題してくれるので、読みっぱなしでは終わりません。