第9回 ストラテジ 中分類4・5 技術戦略マネジメント/ビジネスインダストリ(大分類2 経営戦略)

【第9回】MOTって何のこと? 技術戦略とビジネスの現場

前回は経営戦略の分析手法を扱いました。今回はその延長線上、技術をどう経営に活かすかという話と、業界ごとの具体的なビジネス事例を見ていきます。横文字が急に増える分野ですが、1つずつ整理すれば怖くありません。

この記事でわかること

美咲、つまずく

美咲

ねえ、MOTって何? 空港の免税店の名前かと思った

拓也

それ多分DUTY FREEと勘違いしてるよ。MOTはManagement of Technology、技術経営のこと

美咲

ぎ、技術経営……?

拓也

そう、技術をどう経営に活かすかっていう考え方でさ、たとえば新技術に投資するタイミングって——

美咲

ちょっと待って、早口すぎ

拓也

あ、ごめん。整理して話すね

比喩イラスト/「MOTって空港の?」と的外れな美咲、早口オタクモードの拓也

本編①:技術戦略マネジメント

拓也

MOT(技術経営)は、企業が持つ技術を、単なる研究開発で終わらせず、事業の成果・利益に結びつけるためのマネジメント。技術者と経営者の橋渡し役、みたいな考え方だよ

美咲

技術があっても、儲からなきゃ意味ないってこと?

拓也

そういうこと。そのために使われるのが技術ロードマップ。『いつ、どんな技術を開発し、いつ製品化するか』を時間軸で可視化した計画表。あと、開発した技術をどう守るかという特許戦略もセットで語られる

美咲

なるほど、技術も計画的に育てるのね

拓也

あと、この分野でよく出るのが標準化の話。デファクトスタンダードデジュールスタンダード、この2つの違いは絶対押さえておいたほうがいい

美咲

名前が似すぎてて怖いんだけど

拓也

デファクトスタンダードは、市場での競争の結果、"事実上"標準になったもの。特定のOSやファイル形式が、公式に決められたわけじゃないのに、みんなが使うから標準になった、みたいなケース

美咲

なるほど、"デファクト=事実上"ってことね

拓也

一方デジュールスタンダードは、ISOとかJISみたいな公的な標準化機関が正式に定めた標準。こっちは"デジュール=法律上"というニュアンス

美咲

"事実上"か"公式"かの違いなのね

【第9回】MOTって何のこと? 技術戦略とビジネスの現場|概念図解

本編②:ビジネスインダストリ

拓也

後半は、もっと具体的な話。業種別システムって呼ばれる分野で、身近な例がいろいろある

美咲

たとえば?

拓也

コンビニのレジで使われてるPOSシステム(販売時点情報管理)、車のETC、スマホの地図アプリで使うGPSの応用——こういう、特定の業界・用途に特化したシステムが試験にも出る

美咲

あ、それは知ってるものばかりだ

拓也

あと最近特に増えてるのがIoT・AI活用の事例。センサーで工場の機械の稼働状況を集めて分析するとか、AIで需要予測を自動化するとか。第5回でやった需要予測、あれをAIでやる時代になってきてるってことだね

美咲

あ、繋がった

拓也

最後、eビジネス。企業間の受発注データを電子的にやり取りするEDIや、電子商取引の形態(企業対企業のBtoB、企業対消費者のBtoC、消費者間のCtoCなど)もここで扱う

美咲

フリマアプリとかもCtoCよね

拓也

そうそう、身近な例で考えると入りやすいと思う

ITパスポート的に狙われるポイント

【第9回】MOTって何のこと? 技術戦略とビジネスの現場|比較表
拓也

1つ目は、デファクトスタンダードとデジュールスタンダードの取り違え。『事実上』か『公的機関が正式に』か、この軸で判断する

美咲

2つ目は?

拓也

業種別システムの名称と用途の組み合わせ問題。POSは『販売』、ETCは『料金収受』、GPSは『位置情報』——この対応をセットで覚えておくと安心

まとめ・次回予告

美咲

横文字だらけで身構えたけど、意外と身近な話だったわね

拓也

次はストラテジ系の後半戦、情報システム戦略。今日の話と似てるようで、実は視点が違うんだ

美咲

え、また新しい話?

拓也

安心して、経営戦略との違いを整理すればすぐわかるから

📱 アプリで過去問を解く

美咲

MOTのMOTたる所以、わかった気がする

拓也

気がするだけで終わらせないでよ、危ないから

著者が作った無料の過去問アプリ「ITパスポート学習」の「技術戦略マネジメント」「ビジネスインダストリ」で、そのまま手を動かして確認できます。間隔反復法(SRS)が「忘れかけた瞬間」に自動で再出題してくれるので、読みっぱなしでは終わりません。