第10回 ストラテジ 中分類6 システム戦略(大分類3 システム戦略)

【第10回】情報システム戦略はどう決まる?

前々回・前回と「経営戦略」を扱ってきました。今回のテーマは「システム戦略」——名前が似ていて混同しやすいので、まずはその違いから整理します。

この記事でわかること

美咲、つまずく

美咲

あれ、これって前々回にやった経営戦略の話と何が違うの? SWOTとかPPMとか

拓也

いい質問。似てるようで、実は見ている対象が違うんだ

美咲

対象……?

拓也

経営戦略は『会社としてどっちの方向に進むか』を決める話。システム戦略は『その方向性を、情報システムでどう実現するか』を決める話。別のレイヤーなんだよ

美咲

……方針と、それを実現する手段、ってこと?

拓也

そう、その理解で完璧

比喩イラスト/「経営戦略の話と何が違うの」と首をかしげる美咲を、レイヤー図で整理する拓也

本編①:情報システム戦略とEA

拓也

情報システム戦略のキーワードは全体最適化。部署ごとにバラバラなシステムを作ると、二重投資や連携不足が起きる。だから会社全体で見て、無駄なく整合性の取れたシステム構成を目指す、という考え方

美咲

部署ごとに好き勝手作らせない、ってことね

拓也

そのための設計図の考え方がエンタープライズアーキテクチャ(EA)。会社の情報システムを4つの層に分けて整理する

美咲

4つも?

拓也

ビジネスアーキテクチャ(業務の仕組み)、データアーキテクチャ(扱うデータの構造)、アプリケーションアーキテクチャ(システムの機能構成)、テクノロジアーキテクチャ(土台となる技術基盤)。この順に、上位(業務)から下位(技術)へと具体化されていくイメージ

美咲

上から順に、抽象的から具体的になっていくのね

拓也

そう。だから、業務のやり方(ビジネス)が変われば、扱うデータやシステムの機能、使う技術も見直す必要が出てくる——という関係性が試験でも問われる

概念図解/EA4層構造図(ビジネス→データ→アプリケーション→テクノロジ)

本編②:業務プロセス改善とソリューションビジネス

拓也

情報システム戦略と一緒に語られるのがBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)。既存の業務の流れを、根本から見直して再設計する取り組み

美咲

ただの『効率化』とは違うの?

拓也

そこ、試験でも狙われるポイント。単なる効率化(今のやり方を少し速くする)とは違って、BPRは『そもそも、この業務プロセス自体が必要か』というレベルから見直す、抜本的な改革を指すんだ

美咲

もっと大胆な話なのね

拓也

あと、システムを外部から調達する形態としてソリューションビジネスという考え方もある。自社で全部作るんじゃなく、他社が提供する仕組みやサービスを組み合わせて課題を解決する、というアプローチ。SOA(サービス指向アーキテクチャ)のように、機能を部品(サービス)として組み合わせる設計思想もこの文脈で出てくる

美咲

全部内製しなくてもいいのね

ITパスポート的に狙われるポイント

【第10回】情報システム戦略はどう決まる?|比較表
拓也

1つ目は、EAの4層の名称と対象の対応。『ビジネス・データ・アプリケーション・テクノロジ』の並び順と、それぞれ何を扱う層かを取り違えやすい

美咲

2つ目は?

拓也

BPRと、単なる業務効率化の違い。『既存のやり方を前提に速くする』のか『そもそものやり方から作り変える』のか、この違いを問う問題が出やすい

まとめ・次回予告

美咲

経営戦略とシステム戦略、やっとちゃんと区別つくようになったわ

拓也

じゃあ次は、そのシステム戦略をさらに具体的に進める話。実際にシステムを『発注する』ときの話をしようか

美咲

発注……なんかまた新しい単語が来る予感がする

📱 アプリで過去問を解く

美咲

経営戦略との違い、やっと腹落ちしたわ

拓也

腹落ちしたなら、問題解いても迷わないはずだよ

著者が作った無料の過去問アプリ「ITパスポート学習」の「システム戦略」で、そのまま手を動かして確認できます。間隔反復法(SRS)が「忘れかけた瞬間」に自動で再出題してくれるので、読みっぱなしでは終わりません。