第15回 マネジメント 中分類11 サービスマネジメント(大分類6 サービスマネジメント)

【第15回】システムは「作って終わり」じゃない——運用の話

前回まででシステムの「作り方」を一通り見てきました。でも実は、完成してからが本番です。今回はシステムを安定して動かし続けるための、サービスマネジメントの話をします。

この記事でわかること

美咲、つまずく

美咲

システムって、完成したらそこで終わりでしょ? あとは使うだけ

拓也

それ、実は逆なんだよね。完成してからが本番

美咲

え、どういうこと?

拓也

家も、建てて終わりじゃなくて、そこから住み続けるでしょ。掃除も、設備の点検も必要。システムも同じで、完成後にちゃんと運用し続ける仕組みが必要なんだ

美咲

……たしかに、建てただけで放置されたら困るわね

比喩イラスト/「完成したら終わりでしょ」という美咲に、定期点検表を見せる拓也

本編①:ITサービスマネジメントの考え方

拓也

システムを安定的・効率的に運用し続けるための一連の管理活動をITサービスマネジメントと呼ぶ。この考え方の土台になっているのがITIL(Information Technology Infrastructure Library)、ITサービスマネジメントのベストプラクティスをまとめたガイドライン

美咲

ベストプラクティス?

拓也

『こうやると上手くいきやすい』っていう、業界で積み上げられたノウハウ集、というイメージでいいよ

美咲

なるほど

拓也

あと、第11回で出てきたSLA、覚えてる? 『稼働率99.9%以上を保証する』みたいな約束の文書

美咲

うん、覚えてる。作って終わりじゃなくて、その後の約束って言ってたやつ

拓也

そう。SLAは結ぶこと自体がゴールじゃなくて、結んだ約束を実際に守り続けることが本番。だから運用の仕組みが必要になる

本編②:運用管理プロセスの違い

拓也

運用の現場でよく出てくるのが、この3つ。インシデント管理問題管理変更管理

美咲

名前が似てて、絶対ごっちゃになりそう

拓也

1つずつ整理しよう。インシデント管理は、実際に起きたトラブルに対して、とにかく早くサービスを元に戻すための応急対応。原因の追求より、まず復旧が優先

美咲

消火活動、って感じね

拓也

いい例え。それに対して問題管理は、そのインシデントがなぜ起きたのか、根本原因を突き止めて再発を防ぐための活動。応急処置じゃなくて、火種そのものを取り除く

美咲

消火のあとに、火事の原因を調べる感じね

拓也

そのとおり。最後、変更管理は、システムに変更(アップデートやパッチ適用など)を加えるとき、それが新たなトラブルを生まないよう、あらかじめ承認プロセスを通して安全に反映するための仕組み

美咲

勝手に変更しちゃダメ、ってことね

拓也

うん。変更管理をすっ飛ばして本番環境をいじると、それ自体が新しいインシデントの原因になりかねない

拓也

あと、システムを支える物理的な設備——データセンターの電源、空調、セキュリティなどを管理するのがファシリティマネジメント。システムそのものだけじゃなく、それを支える"箱"の管理も運用の一部なんだ

美咲

そこまで含まれるのね

概念図解/インシデント管理・問題管理・変更管理の関係図(応急対応→根本対応→変更反映の流れ)

ITパスポート的に狙われるポイント

【第15回】システムは「作って終わり」じゃない——運用の話|比較表
拓也

1つ目は、インシデント管理と問題管理の目的の違い。『応急処置か、根本解決か』、この軸で見分ける

美咲

2つ目は?

拓也

変更管理の承認プロセス。『誰かが勝手に変更していい』わけではなく、あらかじめ決められた手順を経て反映する、という前提が問われやすい

まとめ・次回予告

美咲

作って終わりじゃないの、ちょっと衝撃だったんだけど

拓也

じゃあ次は、その運用がちゃんとできているかを"チェックする"側の話。監査って聞いたことある?

美咲

監査……なんか怖い響きね

📱 アプリで過去問を解く

美咲

作って終わりじゃないの、ちょっと衝撃だったんだけど

拓也

じゃあその衝撃が覚めないうちに、問題も解いておこう

著者が作った無料の過去問アプリ「ITパスポート学習」の「サービスマネジメント」で、そのまま手を動かして確認できます。間隔反復法(SRS)が「忘れかけた瞬間」に自動で再出題してくれるので、読みっぱなしでは終わりません。